自由学園中等科・高等科
キャンパス探検
ここにしかない教育

東京都東久留米市にある自由学園のキャンパスには、幼児生活団 幼稚園、初等部(小学部)、男子部(中等科・高等科)、女子部(中等科・高等科)、最高学部(大学部)が揃い、その敷地面積は 100,000 ㎡。自然公園にも引けを取らない約 4000 本の樹木、世界的建築家フランク・ロイド・ライト氏と、その弟子である遠藤新・遠藤楽親子の手による東京都選定歴史的建造物、「食」と「生きる」を学ぶための畑や豚舎など、他では見ることもない感動的な風景が校内に散らばっています。自然と融合したこの場所でしかできない教育は何なのか? 同校のキャンパスをめぐり、ここにしかない風景を見ながら環境が紡ぎだす教育、8つの知性(MI)や持続可能な開発目標(SDG’s)を育むここにしかない教育を考えます。

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ホームルーム棟も、小ホールを真ん中にはさんで 1 年生と 2 年生の教室を配置。ゆったりした空間が印象的
木登りポイントがぶら下がった生徒たちに人気の木。登っても叱られない
初等部の始業・終業を知らせるのは、当番の生徒が駆けながら鳴らす鐘
初等部の校庭側から見た校舎。大切に使いながら独創性や遊び心を忘れない
キャンパスの一画が学園内の食を支える畑になっている。各学年でエリアを決めて土を耕し、無農薬野菜を大切に育てる
水菜、ブロッコリー、白菜、にんじんも立派に育っていた広い畑。ビニールハウスもあり学校内風景とは思えない!?
伏流水で高い透明度を誇る川が校内を流れる。地理、地学の実学も校内で体験
広大で自然豊かな敷地内では、「落ち葉」「雑草」「松葉・銀杏の葉」「松ぼっくり」をきちんと分別。公共施設でもなかなか見られない標識
伐採した木の枝は大学生や男子部の生徒が薪にして、女子部の昼食の燃料に再利用

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中等科 1 年生は、教室で使う机とイスを自分で作るのが男子部の伝統。木工室の前には大きな木材が乾燥のために並べられていた
男子部の入り口にあった目標や当番が書かれた黒板。ぽつんと立っているが、木の枠のせいか自然風景にとけこんでいる
堆肥小屋前にあった落ち葉を入れるための深い穴。自然と共生し、活用することを生徒たちは毎日の学校生活の中で覚えていくのだろう
男子部中等科 1 年生の教室。自作のイスや机が未完成で既製品と入り混じるが、これも自由学園にしかない教室風景だ
始業・終業の合図
男子部の始業・終業の合図は木板。時計をにらむ生徒が定時になると勢いよく木を打ち、心地よい音が校内に響きわたる。

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休憩時間に中庭を移動する生徒たち。女子部に制服はなく、髪型やスカートの長さは生徒たちが話し合って決める
カルガモのヒナが卵からかえり旅立っていった中庭の水辺。自然に恵まれたキャンパス内では常に鳥の声が響き、この日はカワセミがやってきた!
「賜物を重ねる」とは、高 3 の生徒たちが考えた女子部の今年のテーマ。廊下や食堂など様々な場所で目に止まった
東側からの女子部体操館(東京都選定歴史的建造物)。どの角度から見ても自然と調和した美しい光景
始業・終業の合図
女子部の始業・終業を知らせるのは金属製の鐘。定時前にやってきた当番の生徒が時計を見ながら鐘を鳴らすと、華やかな音が鳴り渡った。
自由学園を訪れたのは秋。赤や黄に染まる木々に囲まれ、小川のせせらぎや鳥のさえずりを聞きながら校内を歩いていると、圧倒的な存在感を放つ木造校舎が現れ、時空を超えたような錯覚を起こす。見慣れない風景の連続で、学校取材に来たことを忘れるほどだ。
たっぷりと光が射し込む大きな暖炉がある食堂、高い天井に木のぬくもりを感じる体操館、キノコやフクロウの置物が夕方には幻想的なシーンを見せるという坂道。取材時に生徒た ちの姿はなかったが、こうした環境で過ごす毎日がどれだけ情緒豊かな人間性を育むのか と想像せずにはいられない。
自由学園には1921年の開校以来「生活即教育」という理念があり、「毎日の生活の中にこそ生きた学びがある」というこの考えのもと、独自の教育が行われている。恵まれた自然環境に親しみ、生徒同士で熱く自由に議論を交わし、学年を超えて昼食を食べながら交流する毎日。様々な体験を重ねる中で、自主的に考え行動しながら積み重ねられていく貴重な学校生活。そんな生きた学びができる環境がしっかりと歴史を刻みながら作られてきた。これこそが8つの知性(MI)や持続可能な開発目標(SDG’s)を育む教育ではないだろうか。自由学園だからこそ、生徒たちはのびやかに育っていくのだろう。この場所でしかできない学び、ここにしかない教育は確かにあると思えた自由学園のキャンパスだった。

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