聖徳学園中学・高等学校
創造性を創り出す知能開発プログラム

seitoku_top東京・武蔵野市にある聖徳学園中学・高等学校。同校では、新たな価値を生み出して社会的に貢献する生徒を育てることを目標に、「個性」「創造性」「国際性」を軸にした3つの教育方針を掲げています。
今回ココロコミュでは、生徒の「創造性」を創り出すために同校が独自に行う「知能開発プログラム」に着目。知的好奇心を刺激して脳を活性化し、柔軟な思考力や発想力を伸ばす画期的な取り組みを取材しました。担当の岩崎先生が解説してくださった同プログラムでは、新時代を生きる子供達の可能性を引き出す貴重な学びが行われていました。

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「知能開発プログラム」って何ですか?

一つのことを考えるうえでも、いろんな側面から物事を見ればまた違った考えが生まれます。そのことに気づくヒントを与え、自分で考えさせる授業です。脳を活性化することで、創造力や発想力、問題解決能力を育てます。

「知能開発プログラム」は、アメリカの心理学者ギルフォード博士の知能構造理論に基づき、知能を刺激して“考える器”を作っていくことが根本にあります。プログラムを通して、生徒の好奇心を刺激して脳を活性化させ、一つの物事でも多角的に見ることで多様な考え方が生まれることを気づかせます。そして、創造力や発想力、将来につながる問題解決能力を育てるのです。
“知能の成長”という研究では、脳の成長は10歳に満たないうちに終わり、それまでに得た知識を応用する創造力は14歳くらいまでに大きく成長するという研究結果が出ています。そこで本学園では中学1、2年生の「総合学習」の時間に、知能開発に重点を置いた「知能開発プログラム」を授業で行っています。

「知能開発プログラム」の具体的な授業内容は?

例えば、オセロや将棋を競わせながら、次の一手やその先の一手を見極め、先を読む力や推理する力を鍛えます。答えではなくヒントを与えて、他の側面から見れば生まれる別の考えや発想の転換を実践させます。

[知能開発プログラム・抜粋]
・暗号解読・数独・標識のデザイン・マッチ棒クイズ・ハンバーガー店の立地条件・ゲーム(将棋・オセロ)・地図作り・数式作り・三題噺・同音異義語・四コマ漫画・脳力検定ⅠⅡⅢ

「知能開発プログラム」の授業内容は毎回違います。教材は本校独自のもので、プリント教材やiPadを使用して授業を行っています。通常の科目では使わない教材を敢えて取りあげ、一つのヒントを基にいろいろな考え方をさせてみたり、答えが一つではない問題の場合は生徒に自分の考えをどんどん発表させたりして授業を進めます。
例えば「ゲーム」では、オセロや将棋などに取り組みます。本来は遊びですから、トーナメントという形にして誰が一番強いかを競うことで子供たちにまずやる気を与え、勝つためには次の一手をどうするか、それに対して相手がどういう手を打ってきそうで、さらにそれにどう対応するかという先を読む力や推理する力を、相手とのゲームのやりとりを通して意識させるのです。「立地条件」では、ハンバーガー店をオープンするために、どのような場所であればより多くお客さんが入ってくれるのかなど、必要な条件を考えさせます。

「知能開発プログラム」の授業を受けた生徒の様子は?

集中して考えるためか、「疲れた」とよく言います(笑)。すぐ答えを聞いてきますが、ヒントは与えても答えを教えることはしません。

「知能開発プログラム」の授業では、集中して取り組まなければならない時も、和気あいあいとにぎやかな時もあり、内容はいろいろですが、面白いことに授業後に「疲れた」という言葉を生徒がよく言います。普通の授業と違い、短時間でも集中して考えるためでしょう。いつもとちょっと違うことに頭を使うと、大人でも疲れますし、それは生徒たちの素直な気持ちなのだと思います。
ただ、今の生徒たちを見ていると、わからない時にすぐ答えを教員に聞いてくるんですね。しかし、考える授業である「知能開発プログラム」で、答えを聞いて理解したつもりになっても意味がありません。わからないことを、どう考えて答えに辿り着くのかを鍛えたいわけですから、すぐに答えを聞いては「知能開発プログラム」の意味がないのです。ですから授業ではヒントは与えますが、答えを教えることのないようにしています。答え合わせではなく、発表させることでアウトプットする力や、他者の意見を聞き自分と比較し、さらに良い答えを見つけるといった力もつけさせたいと思っています。

「知能開発プログラム」を受けた生徒の変化は?

変化はすぐには見えませんが、考え方がたくさんあること、発想の転換や切り替えができる力は身についていると思います。

このプロジェクトは、点数として結果が見えるものではありません。ベースとして身につくものが評価されるわけではなく、自分が何かをする上で引き出しを豊富にしてあげられることが大切なんですね。ですから生徒の変化もすぐ目に見えるものではありません。ただ、ひとつの考え方に固執するのではなく他にも考え方がたくさんあることを理解し、発想を転換したり切り替えたり、先を考えることを授業で実践しますから、そうした力は身についていくと思います。例えば、自分が何かを作ろうとして必要な道具がなかった時も、切り替えが早くでき、代用品を使って同じことはできないかという考えに至るのではないでしょうか。「知能開発プログラム」で得た学びを将来生かせるようになってほしいですね。

中学1、2年で「知能開発プログラム」を受けた生徒は、中学3年以降どのような取り組みを?

自分で物事を考え、情報収集してまとめ、外に発信していくことを中学1年生~高校2年生までの5年間で体系的に行うプログラムを用意しています。

中学3年生から高校1年生にかけては、個人のことから視野を広げて、社会問題、時事問題に対してどのようなアプローチをしていけるかを考えます。グループで話し合ったり、プレゼンを行ったりする中で、発信力も身につけさせていきたいと考えています。高校2年生では、小論文の作成やディベートを行い、最終的には自分の意見としてまとめて発信する力を意識して授業をしています。例えば今年は、JICA(ジャイカ。国際協力機構)と連携し、発展途上国の問題を取り上げて解決方法を模索するというテーマ学習をグループで行い、JICAを含む関係機関の方に発表する取り組みを行っています。

「知能開発プログラム」を行う聖徳学園中学・高等学校とは?

生徒たちがどんなことを考えて巣立っていくのかをしっかりサポートできる学校でありたいと常々思っています。

本校は、中学1年生は4クラスで108名の規模の小さな学校です。中学1年と中学2年は各クラス2名の担任が、生徒たちの個々の部分をしっかりと見ていきます。小回りのきく学校、いろんなことにチャレンジできる学校ともいえると思います。また、体験を通して成長していってほしいという考えから、フリーペーパー制作やテレビ番組制作など外部機関の協力をもとに、本物を経験することや体験学習を重視し、その中で将来の自分について考えてほしいと願っています。自分で将来の目標をつくり、そこから「今、何をしなければいけないか」を考えられると、壁に直面した時でも、しっかり頑張れるのではないでしょうか。最近ではキャリア教育の一環として地元企業と連携し、自分の知らなかったことを知る機会も増やしています。そうした中で生徒たちがどんなことを考えて巣立っていくのかを、しっかりサポートできる学校でありたいと常々思っています。

 

聖徳学園中学・高等学校

SCHOOL DATA
聖徳学園中学・高等学校
東京都武蔵野市境南町2-11-8
TEL: 0422-31-5121

http://www.shotoku.ed.jp/
 

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