晃華学園中学校高等学校
校内職業体験

晃華学園中学校高等学校 校内職業体験だからこそ得られる職業観と人生観

「年齢・生活スタイル・仕事(職業)を超えた、人生を通じて大切にして欲しい価値観を育むこと」「自らに与えられた才能・能力に気づき、それぞれの社会の中で活かす方法を見つけていくこと」を目標に、将来を見据えたライフガイダンスを6年間かけて行っている晃華学園中学校・高等学校。その入口として中学1年時に取り組む「職業体験」では、身近な方への職業インタビューのほか、校内でサポートしてくださる清掃や警備の方の仕事を生徒が体験することで、職業や社会での自分の活かし方に新たな価値基準が芽生えていくと言います。人間的成長や大切な職業観を育む同校の「職業体験」を取材しました。

Teacher Interview

安藤真由美先生[中学2年学年主任/家庭科教員] 松元賢次郎先生[中学2年担任/社会科教員]

職業体験の狙い 職業観を広げ、それぞれの仕事の価値ややりがいに気づいてほしい

安藤先生職業体験の狙いとしては、自分が支えられて日々生きていることに気づいて感謝の気持ちを持ってほしいこと、職業観や人生観を広げてほしいことが大きな2つでした。職業選択に関しては家族や周りの方の影響が多くなり、私学だとある程度狭まってしまいがちですが、生徒たちにはいろいろな職業があることを知って、選択肢を広げてほしいと思いました。お話を聞くだけでなく体験を重視したのは、やはり身をもって知ってほしかったからです。実際に体を動かすと、こんなに大変なんだということがよくわかったと思います。

松元先生私学である本校での職業インタビューや進路の絞り方を見ていて、僕自身考えるところがありました。会社経営者や医者、弁護士といった保護者の職業やドラマに出てきそうな仕事が出てくるのですが、職業はそれだけではありません。生徒たちにはもっと可能性があると思いますし、普段なかなか意識していない仕事を見ることで職業観を広げてほしいという思いがありました。今回の職業インタビューや職業体験によって、知らない職業があってそれぞれが価値のある職業であること、それぞれの人がそれぞれにやりがいを感じて働いていることに気づいてくれることが重要だと思っています。

職業体験の流れ “働くこと”を知るために、体験・振り返り・プレゼンテーション

事前学習
  • 家族や親戚など身近な方に職業インタビュー[夏休み]
  • 日本にある「職業」について学ぶ
  • 羽田空港の清掃員、新津春子さんのドキュメンタリー番組を視聴
  • マナー講座
職業体験当日
各クラスで10人から15人ぐらいに分かれて「清掃」と「警備」を実施。清掃グループは用務の方の指導を受けながら校内清掃やゴミ分別を行う。警備グループは車の出入管理や校内巡回の実習、警備の方からの講義を受ける。
事後学習
  • 5人グループになって、活動レポートを「職業体験新聞」としてまとめる
  • クリスマスにご指導のお礼を兼ねてクリスマスカードを作成
  • 職業学習レポートシート、要点まとめシートを作成[冬休み]、プレゼンテーション[3学期]

安藤先生「職業体験」の「警備」では警備業と警官の違いを知るほか、スクールバスの仕組みを知るために、実際に運転席に乗って体験したグループもありました。確認用のミラーがたくさんあるので運転中は邪魔をしないように気をつける必要があることや、運転手さんが生徒たちの安全にいかに配慮してくださっているのかを知ることで、普段のバスの中での態度も改まり、挨拶をする機会も増えたようです。「清掃」は、生徒たちも毎日やっていますが、どうやるとキレイになるのか、ゴミの分別がいかに大事なのかにも気がついていましたし、お掃除中の方に「いつもありがとうございます」と声をかけるようになったりして、近しい存在に代わりました。自分たちの毎日の生活を支えてくれている仕事に触れたことは、生徒たちにとっていろいろ考えられる良い機会になったようです。

校内での職業体験の良さ 生徒が自発的に気づき、生活改善に結びつけられた校内職業体験

松元先生校内で職業体験をやったことで、生徒たちには自発的な気づきがいろいろありました。例えば、「私たちが走るから、髪の毛がたくさん落ちている」とか、「1日平均6時間もかけて、私たちの校舎を清掃してくださっている」など、自分の生活と結びつけて考えやすく実感が湧いたようです。最後に作った新聞では、「キレイな環境で過ごすことを当たり前だと思ってはいけない」とか、「私たちにできることがもっとあるんじゃないか」といった呼びかけもいろいろ出てきましたから、掃除をしてくださる方のご苦労に気づき、自分たちの生活改善に結びつけられたのは、校内で職業体験をしたからこそだと思います。

最後のプレゼンでは、インタビューで話を聞いた職業と、職業体験での共通点を語る生徒が多くなりました。どの仕事も大変であり、それぞれが責任や誇りを持って取り組まれているとか、さまざまな職業があることの価値を知るきっかけになったのではないでしょうか。

生徒の成長と今後 職業体験による進路への意識や価値観形成に期待

松元先生教育とは、温室で育てることではないと思っています。安心や安全を確保することは大前提ですが、その中で悩んだり葛藤したりする生徒たちに、「そういう時にはこういう考え方もあるよね」「こういうふうにやったらどうだろう」と言えることが、教員には求められているのかなと思います。この職業体験をしたことで、生徒たちの掃除や警備に対する意識は相当変わりました。校内にいらっしゃるこの方たちと6年間会い続けることが彼女たちの進路への意識や価値観形成にどういう影響を生むか今は想像できませんが、深い意味があるのではないかと期待しています。今回生まれた交流によって、進路で悩んだときも清掃の方に話を聞いてもらうかもしれませんし、もしかしたら彼女たちの人生にとって今までにない豊かさが生まれるかもしれません。これが本校の『ライフガイダンス』の姿だと思います。

安藤先生最近の生徒たちを見ていると、掃除のときも積極的に掃除をするようになりました。清掃の方も中1に「〇〇さん」と名前を呼んで声をかけてくださるようになり、今回の体験によって皆さんに育てていただいていることを実感します。
本校はミッションスクールですから、神様からさまざまな才能をいただいて、一人ひとりが違った能力を持って生まれてきているという教えを受けています。その生まれながらにしていただいた能力は自分の力でしっかりと伸ばして、世の中の役に立てていかなくてはいけませんから、そこで発揮してくれればと思いますね。神様は自分に何を望んでいらっしゃるのかを見つめながら、自分の人生をしっかりと歩んでいってもらいたいです。

Students Voice

清掃編
~職業体験新聞より~

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  • 私たちが休みの夏休み、冬休み、春休みなどもわざわざ学校に来て下さって大掃除をして下さっているそうです。私たちの見えない所で仕事をして下さっていることが初めて分かりました。
  • 学校では走らない、極力髪の毛は結ぶ、ゴミの分別をするなどの身近なことから心がけていこうと思います。
  • 掃除道具を大切に、きれいに扱えば掃除もスムーズに行うことができます。ほうきを使った後は、ついたゴミを丁寧にとりましょう。
  • 自分たちが掃除する所は最低でもていねいにやりましょう。それだけでも清掃員の方々の負担が減ります。
  • おそうじの方々なぜそこまでして、私たちのために尽くしてくださるのでしょうか。それはこの仕事にとてもやりがいを感じているからだそうです。例えば、おそうじをしている時に生徒たちがゴミをよけてくれたり、「ありがとうございます」と言われたりするととてもうれしく、これからもがんばろうと思ってくださるそうです。また、そうじをしている間に、私たちの成長なども感じられるため、この仕事をすると嬉しく感じるそうです。

警備編
~職業体験新聞より~

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  • 今回警備員さんのお仕事を体験してみて、私達は一日の中で一部分しか体験していないのですが、それでも寒くて警備するのは大変だと思いました。それを私達のために一日中やって下さっていることに気づき、また、自分の良い経験になり、とても感謝しています。
  • 無線はバス関係の重要な連絡をとるためのもの。私たちがうるさくしていたら無線が聞こえず、事故のもとになります!

職業学習レポートより

  • 職業インタビューからは社会であまり目立たない、裏から支えてくださっているような仕事の存在を知ることができました。また、そのような仕事をなさっている方々への感謝の気持ちを欠かしてはいけないと思うことができました。職業体験からもやはり、私達の周りで掃除なさっていることを知りながらも、ほとんど気にしていなかったことを恥ずかしく思わせられました。
  • 精神科医だけではなく医者という仕事は、他の人の命を背負うような事であって、自分の選択によって、患者さんの生死がわかれてしまう、ということがわかった。自分の思いがけない一言、選択で患者さんが亡くなってしまうかもしれない、ということは、この2学期での職業体験でも同じことが言えると思った。今回体験させていただいた警備の仕事、バスの運転手の仕事は、警備は、通行者を守り、バスの運転手さんは、お客さんを目的まで安全な環境で連れていかなければならない。この3つの職業は「他人の命を背負う」という、共通点があるということがわかりました。
  • 今回のさまざまな職業の学習で私が一番学んだ事は、仕事とはある作業を効率良く的確に行う事ではない。誰かの事をおもい、誰かのために自分から行動を起こし続ける事であるという事だ。例えば、私は将来の夢でずっとバレエダンサーを目指していたが、バレエでもいかに豪華で観客を驚かす舞台を創る、もしくは世界でもトップレベルにバレエの技術を高めるその物が大事ではない。それをする事によって観客が現実を忘れとても素敵な一時を過ごすことができる、また、私の踊りを見る事で、私が幼い頃そうだったように希望をもらう事ができる。そういうふうに、誰かのために何かをする、それによって、その人を幸せにしたり、喜びで満たしたりする、そういう事が一番大切だったのだと思う。これからいろいろな職業をもっと知る事で、いろいろな人のために何かをする、人を幸せにする、そういった方法をもっとたくさん知る事ができると思う。

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