啓明学園中学校・高等学校
自分の世界を広げるための
種がまかれた場所

発見!私学力 啓明学園中学校・高等学校 卒業生インタビュー 自分の世界を広げるための 種がまかれた場所
国際性豊かな生徒がそろう学内環境に加え、「平和を創る世界市民」の育成を目的にしたピースメーカープロジェクトを6年間かけて行うなど、世界をつなぐ人を育てる充実した学びが大きな特長となっている啓明学園。今回、取材した吉田りのさんは、上智大学・総合グローバル学部の3年生で、高校2年時に校内のグローバルプログラムの1つ「カンボジアワークキャンプ」への参加をきっかけに「国際協力」に目覚めたと言います。同校の学びを体現している彼女の言葉から、啓明学園の教育の魅力を探ります。
写真)啓明学園キャンパス内にある東京都指定有形文化財<建造物>「旧三井家拝島別邸(啓明学園北泉寮)」前にて。

~上智大学進学のきっかけ~
自分にもできることがあるんじゃないか

高校2年生の時に、学校から「カンボジアワークキャンプ」に1週間参加したことが、私にとって大きなきっかけになりました。それまでの私は、夢を見つけられなかったんです。啓明学園という多様な環境にいて、校内にいろいろなチャンスはあったのに、留学もせずに何もつかまないままで過ごしていました。ボランティアをやっている友達もいましたが私はやったことがなかったし、募金活動の案内があっても興味が持てなかったんです。英語が話せたので英語の先生になろうかなと漠然と考えていましたが、周りが大学受験モードになっていく中で「これでいいのかな」と少し焦っていた自分がいました。

そんなときに「カンボジアワークキャンプ」に参加しました。現地では虐殺の跡地であるキリングフィールドに足を運びましたが、カンボジアが持つ大量虐殺の歴史に呆然として、「なんて狭い世界で生きていたんだろう」と自分を責めました。学校を建てても先生の数が足りず子供があふれかえって教育が行き届いていないというカンボジアの現状は、先生やお医者さんなどの知識人が虐殺されたという歴史があるからなんだと知ったんです。
それまでも途上国の貧困問題などはもちろんわかっていましたが、遠い問題のように感じていました。でも、実際にカンボジアに行ったら、途上国で起きている今の問題は、これまでの歴史や今まで先進国がしてきたことにとても関係していて、自分にも無関係ではないと知ったんです。同時期に日本で「模擬国連」の大会に出ることができて、その時にフィリピン大使として「2020年までの世界をどう食べさせていくか」という世界の食糧問題のテーマにも取り組みました。そこで一番衝撃を受けたのは、実は世界は食料不足というわけではなく、食べ物は足りているのに配分がうまくいっていないということ。それは戦争や植民地支配や奴隷という歴史に端を発しているということでした。

そういった国の問題に携わろうと思ったら「国際協力」という方法があると知り、高3になって「国際理解」の授業をとって、実際に国際協力のプロジェクトをやってみたことで、もっと学びたいという思いと、もっと自分にできることはないのかと考えるようになりました。今までの歴史を見てからどういう解決策がうまくいくのかを考えれば、自分にもできることがあるのではないかと思い、それならもっと勉強しなければいけないと考えて上智大学のグローバル総合学部を選んだんです。この学部だと、英語も学べるし、他の教養もつけられるし、国際協力も学べます。また地域研究として、主に東南アジアや中東アフリカ地域を選んで研究することで、「なぜ問題が起きているのか」「国際協力とは何なのか」も学べますから、大学で学びつつ自分でアクションを起こしていければ、世界が広がるかなと思ったんです。

カンボジアワークキャンプ

8月NPO法人ASAP(アジアの子どもたちの就学を支援する会)と共に支援活動の現状を学ぶ。また、現地の小・中・高を訪れ、生徒と交流。アンコールワットに行く機会もある。

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~啓明が作ってくれた自分~
個として相手を見る力を身につけられた

啓明学園はインターナショナルな環境ではありますが、公用語はもちろん日本語で、普通に日本の文化を学びましたから、日本社会でずっと生きてきたからこその多様な価値観が身につくと思います。外国からの編入生や留学生、外国のバックグラウンドを持った子にも「どこの国から来た」とか「どこの国の人だから」とかレッテル貼らずに、「〇〇ちゃんだから」「△△くんだから」と仲良くしていて、それが当たり前だと私も思っていましたね。
個として相手を見る力を学校として大切にしているし、自分も知らない間にそれを身につけられたのかなと思います。国際性や多様性を育むことは、人が心を豊かにしていく上ですごく大事なことだと卒業してから思いました。

それに啓明学園では普段から「国際理解」について学ぶ機会がたくさんありました。やはり知っているのと知らないのとでは全然違います。少しでも知っていれば、「あの時のあれは、こういうことだったんだ」と結びつけることができます。知らなければ、せっかく何かと出会っても全く心に響かない可能性が高くなります。
それぞれが心惹かれる分野は違うけれど、自分としてすごく興味深いものがあって、それが知らないうちにつながっていて、ピンとくるときが人にはどこかしらのタイミングで訪れます。それは、今気づいても、10年後に気づいても良くて、私は大学進学というタイミングでそれが見つけられました。その種をまいてくれていた啓明学園にはとても感謝しています。

~スピーチコンテストで見えたこと~
自分の大切にしたいものを深堀りする

啓明で毎年行われる「スピーチコンテスト」は、身が引き締まる思いで準備をしていました。一般クラス・国際クラスのそれぞれから学生が選出されるのですが、予選があって本選にいきます。私は中学1年から高校3年まで毎年出させていただいていて、英語でいろんな内容について話しました。
もともと人前で話すことが苦手で、人見知りだったこともあって、緊張せずにどうすれば話せるのかと思ったこともありましたね。相手に伝えるための表情とか抑揚のつけ方、英語でどこを強調すればうまく伝わるのかなど、いろんなスピーチを見たり、先生も毎日指導してくれたりして練習した結果、上位を獲ることができました。

スピーチする原稿を作っていると、自分の大切にしたいものを深堀りするので、何を伝えたいのかが明確になります。それを毎年続けてきたことで、自分の考えを伝える方法が身につきました。それは英語に限らず日本語でも同じです。高校3年の時に今まで自分がやってきた「国際協力」や「平和とは何か、戦争とは何か」について、日本語版の「私のメッセージ」というスピーチコンテストで話したら、学年優勝できたことがあったんです。今まで英語でスピーチしてきたけれど、言語が変わったとしても自分が大切にしたいものを明確にして、それを相手に伝えることができたことはすごく嬉しかったですね。

スピーチコンテスト

英語だけでなくフランス語、スペイン語、中国語、コリア語などの言語で自らの体験や思いを発信する。校内・校外のほか、摸擬国連にも参加。

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~啓明のピースメーカーとして~
誰でもリーダーになれる

私は中学、高校で学級委員長をやったこともないし、6年間ブラスバンド部をやっていましたが部長も副部長もパートリーダーもやったことがなくて、当たり前のように友達に任せてきたんです。人を引っ張ることやリーダーになって人前に立つことを避けてきたところがあって、リーダーはできる人がやればいいと思っていました。
でも、自分がいろんな行動を主体的にやりだして、啓明以外の外部の人と関わることも多くなり、ちょっとずつ世界が広がっていくと、私が勇気を出して踏み出した一歩を見て、自分も行動しようと思ってくれる人が周りに増えたんです。「私もやってみようと思った」とか「少し影響された」と言ってくれて、それを聞くと誰でもリーダーになれるのかなと思いました。
啓明学園での講演会でも話をさせてもらうのが、「誰でもリーダーになれるし、誰でもやりたいことをやろうと思ったその背中は、誰かを引っ張っている。先頭に立つことがリーダーではなく、みんながそれぞれリーダーなることでいい社会ができるんじゃないか」ということです。誰か1人がリーダーをやればいいわけではなく、誰か1人が先頭に立てばいいわけでもない。それに人それぞれやり方が違ってもいいと思います。一人ひとりがリーダーとしての意識を持って行動で示すこと、ちゃんと周りに関心を持つことができれば、それが平和につながるのかなと思います。

~啓明学園で学ぶ人たちへ~
世界を広げたいなら、絶好の機会がたくさんある

啓明学園に入ったからこういう人になれるというわけではなく、全部自分次第かなと思います。啓明にはいろんな機会がありますが、全部に参加している子もいるし、参加していない子もいます。ただ、やりたいという気持ちがあるなら、それは大切にするべきだなと思いますね。人は、機会に恵まれて、選択肢がいっぱいあるほど、どうしたらいいのかわからなくなったり、当たり前のようになってしまったりして、気づけないこともあると思うんです。でも、啓明学園にはいろんな機会があり、それを主体的につかむ力や、それを生かして自分を成長させ何かを学ぶ意欲をしっかりと身につけられる環境です。いろんなことに挑戦して世界を広げたいなら、絶好の機会がたくさんあるんです。啓明学園で学ぶなら、自分の周りにある機会をつかめるか、気づけるか、行動できるかにかかっていると思います。

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