【晃華学園中学校高等学校】
オリジナルメニューの英国語学研修

国際理解教育ファイル 語学研修で人間研修 伝統の「英国語学研修」 晃華学園中学校高等学校 英国語学研修
晃華学園中学校高等学校では、毎年、7月下旬から2週間かけて高校1年の希望者を対象とした「英国語学研修」を行っています。研修先のイギリス・コッツウォルズ地方にあるチェルトナム市は、イギリスらしい田園風景が広がる美しい場所。英国人の心の故郷ともいわれ、チェルトナム市は数々の有名私立校があり学園都市としても有名な街です。そこで生徒たちは英国人教員や学生と交流しながら英語授業を受け、日々をホストファミリーと過ごします。イギリスの歴史に触れる機会も多い充実したオリジナルメニューによる「英国語学研修」。体験を通して生徒を大きく成長させる絶好の機会を探ります。
INTERVIEW

ゴルブラ・マイケル先生 [英語科・宗教科・国際交流担当]
Tさん[高校2年] Yさん[高校2年]
Mさん[高校1年] Kさん[高校1年]

生徒が自ら苦労を買いに行く英国語学研修

ゴルブラ先生は6年前から語学研修を担当されているそうですが、語学研修の目的や企画の趣旨を教えてください。

ゴルブラ先生
もともとは1972年頃、まだ日本人があまり海外に行けていなかった時期に、当時の校長の「世界を知ってほしい。せっかく学校で習った英語をもっと海外で使ってほしい」という思いから始まりました。イギリスのロンドンの西にあるチェルトナムに行って現地でホームステイしながら英語で生活するという形は今も同じです。それが毎年行われて、途中カナダへ行き先を変更していたときの研修でも全く同じ趣旨で行われていました。日本ではどうしても日本語がメインになってしまいますし、学校の先生とはなかなか英語で日常会話もできませんが、実際にそういう環境に置かれたら嫌でも話すしかないですよね。以前、教頭だった先生がこの語学研修について言われた言葉が「苦労を買いに行きなさい」でしたが、まさにそんな研修です。
海外旅行なら遊びがメインで良いのですが、研修旅行なので楽しみながらも勉強して何かを得て帰ってきてほしい。その手段として英語の授業を行っています。英国人の先生方と生徒が生き生きと話す場になっていて、違う環境に置かれることで生徒の違う面が見られる機会も多くなっています。あとは本物を見ることを大切に、歴史的な場所にも行きます。

今年も希望者は80名ということですが、選抜しない方針だそうですね。

ゴルブラ先生
最初から、英語の成績に関係なく、希望者は行かせています。他校では選抜試験や上位何%といった取り決めもあるかと思いますが、本校の語学研修はそういったことが目的ではないし、本当に英語を極めたいなら個人的にいろいろプログラムもあります。この語学研修は学校としてみんなで行けるプログラムにしているので、もし全員行きたいと言ったら全員分のホストファミリーを探します。学校のプログラムですから先生もついて行って、何かあったら助けに行くとか、学校に行けば自分の学校の先生たちもいる、ホームシックなどになれば味噌汁やせんべいを食べて、また教室に帰って頑張れるという環境を作っています。

生徒たちに人気の理由は何だと思いますか。

ゴルブラ先生
一番は、先輩が行って楽しかったということですね。小さい学校なので縦のつながりも強く、実際に行った先輩が行ってみてどう感じたかという口コミが広がるんです。もちろん教員は毎年改良していて、100%毎年同じものをやっているわけではありません。後輩たちによりよいものを作ろうとアンケートを取って、それを実際に次の年にできるだけ反映しています。今年は世界遺産のバースというローマのお風呂の町や、民主主義の原点と言われるマグナ・カルタの原本を見にソールズベリーに今年は行きます。日本で見ることができないものを見たり、イギリスの歴史に触れたりする貴重な機会になることを重視しました。

英国人学生との交流

会話って伝わることが一番大事なんだなと
当たり前のことを実感

1年前に行かれたTさんとYさんの印象的だったことや、世界が変わったと思ったこと、発見したことなどを教えてください。

Tさん
たくさん刺激を受けました。英語の授業を受ける時に現地の大学生や高校生が授業にアシスタントとして一緒に入ってくれるのですが、自分の意見をたくさん言うんです。私たちは誰も自分から発言できていなかったので、年齢や国に関係なく、人としてすごいなと思いました。あとで聞いたら年下の子もいて、それにもびっくりしました。
他にも、イギリスの法律を少し勉強した時に、「日本ではどうなの」と聞かれても詳しく知らないから深い話ができなくて、すごく悔しい思いをしました。英語でしゃべれるか以前の問題で、もっと日本についても知識を増やしたいと思いました。

Yさん
私は、語学研修を通じてホームステイの家に帰ってからの時間が一番印象に残っています。ひとつの家庭に2人で泊めてもらいましたが、ホストファミリーからに話題に答えられず、2人で「あの時こう言えばよかったね」と夜に話し合い、マザーの前では日本語をしゃべらないなど徹底しました。10日以上同じ部屋ということでその子ともお互いに折り合いをつけながらも親睦を深められたし、ホームステイ先のマザーとも徐々にコミュニケーションが取れるようになって、2週間だけど人間として多少は成長できたかなと思います。

少しでもコミュニケーションを取ろうと頑張れた理由は何だったのですか。

Yさん
行って初めて気づいたのですが、日本人は最初に英語の文法を習いますよね。そうすると本来は会話をするため、心の交流を作るための言葉なのに、自分たちがいかにうまくしゃべれるかとか文法ばかりが気になってしまうんです。でも、単語だけでも伝わるし会話は続くし、ファミリーも自分の言葉を受け止めてくれて理解が深まっていくことを体験したら、会話って伝わることが一番大事なんだなと、当たり前のことなのですが実感しました。

Tさん
最初は英語をしゃべりたくてもわからなかったら電子辞書で調べたり、「この言い回しはやめよう」と簡単なものに代えていたのですが、途中からはどうやって言うのかを聞いたりして、そこでコミュニケーションを取っていました。

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大英博物館でロゼッタ・ストーンの説明を受ける

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マグナ・カルタ前

今年、語学研修に行く2人は、事前学習などをされているのですか。

Mさん
スポーツや食など何でもいいからイギリスのことについて調べて保護者に向けて発表する機会があったので、関心がすごく膨らんでいます。

ゴルブラ先生
発表だけで2時間半かかりましたね。20数グループあって、5分くらいの予定がみんな10分くらいやるんです(笑)。今までは大学の先生がイギリスについて講演するだけで、こうした発表はなかったのですが、行く前に事前学習をもっとそれぞれがやるようにしようと。いろんな方面から調べてくれて、みんなよく調べてくれたなという感じでした。

Kさん
私は同好会で陶芸に入っているので、友達とイギリスと日本の食器の違いを調べていくうちに、食文化の違いが食器にも影響していることがわかりました。

先輩から事前にしておくとよいことのアドバイスはありますか。

Tさん
どのペアも日本のものを何かひとつ持っていきます。私は折り紙を持って行きました。でも、実は私は鶴が折れなくて(笑)。でも、興味を持ってくれたので、頑張って教えたし、頑張って折りました。

Yさん
私たちがお世話になった家は日本食が好きなご家庭で、しょうゆも海苔もあったので、海苔巻きを作ろうってなったんですが、2人とも料理ができないことに気付いていませんでした(笑)。ホストファミリーは厨房に入ってこなかったものの心配そうに見られていました。行く前に自分たちが持っていくつもりの料理の練習をするといいですね。

高1の2人は、先輩に聞いてみたいことはありますか。

Kさん
学校がない時はどうしていたのですか。

Tさん
それは家庭によってまちまちだと思います。私は「何がしたい?」と聞いてもらったので、買い物やバドミントンをしたり、犬の散歩をしました。それにチェルトナムの地元の人しか知らないという丘に連れていってもらったのですが、すごくキレイで感動して、感極まって一緒にホームステイしていた子と2人で泣きました。ファミリーにこんな貴重な体験させてもらって私たち恵まれているねと言いながら(笑)。

Yさん
私も何がしたいか聞いてもらいましたが、チェルトナム自体がロンドンからも遠いし近隣でしかやることがない街なのです。1回目はショッピングに行って、2回目はチェルトナムに住んでいる人しか知らないおすすめの場所に連れて行ってもらいました。

Mさん
イギリスの人に失礼かもしれませんが、ご飯は美味しいのですか。

Tさん
私は美味しかったです。調べたらいろいろ出てきますよ。そんなに不安になる必要はないかなと思います。日本食が恋しくなるというのはわかりますが。

Yさん
家庭によるかもしれませんが、朝ごはんがポリッチというオートミールみたいなものでした。それを日本の感覚でおかゆのようなものだと思っていたら、メープルやシュガーをかけることをすすめられて驚きました。他にも、どろんとした甘い調味料が出てきて、それをかけなければ何も味がないという時もあって、仕方がないからかけて食べました(笑)。

チェルトナム市長訪問

いい経験でも悪い経験でも
行って何かひとつでも成長できればいい

これだけ2人が語れるということは豊富な経験がたくさんあったいとがわかりますね。「英国語学研修」に行って自分が変わったところはありますか。

Yさん
今までは街で外国の人を見かけても「外国人がいる…」と思っていましたが、イギリスから日本に帰ってきてからは、困っていたら普通にしゃべりかけたり道を教えてあげたりできるようになりました。それは会話の力よりも自分の気持ちの違いだと思います。今まで勉強してきて英語自体は頭にあって、それを取り出せるようになったんです。すごく大きい変化かなと思います。

Tさん
私は今まで英語をしゃべるとなると、恥ずかしいとか、間違ったらかっこ悪いから嫌だと思っていたんです。でも、語学研修に行ってからは、そういったためらいや羞恥が少なくなりました。ひとつの言葉として、抵抗が少なくなったんだと思います。外国の人は片言でもゆっくり聞いてくれてそれに感動したし、自信がついたんだと思います。

ゴルブラ先生は、生徒も皆さんのお話を聞いて語学研修の手応えを感じられますか。

ゴルブラ先生
毎年、語学研修に行く前と後では変わったなという印象を受けます。いい意味で大人になりますし、親への感謝を感じる生徒が多いですね。自分と両親の関係も客観的に見られるようにもなります。自分たちで何とかしなければいけないことも多く、ダブルステイだと同じ部屋になった人ともいろんなドラマがあります。語学研修でもあるし、人間研修でもあるんですね。最初の「苦労を買う」という言葉に戻りますが、行って何かを経験すること。それはいい経験でも悪い経験でもよく、そして何かひとつでも成長できればいいのではないかなと思います。

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