【山脇学園中学校・高等学校】
授業・教育
「サイエンスアイランドでの学び」

好奇心を探究心に育み
志を見つけて社会へ羽ばたくために
山脇学園中学校・高等学校の学びには、科学を通して社会に貢献する志を育てるサイエンスアイランド(SI)、社会で活きる探究的な学びを実践するリベラルアーツアイランド(LI)、国際社会で活躍する志と資質を育てるイングリッシュアイランド(EI)という3つのアイランドが設けられています。それぞれのアイランドで個性あふれる特色あるプログラムに取り組み、「思考する」「判断する」「表現する」ことを重視した創造的学力を育みます。充実した各アイランドのプログラムから、今回ココロコミュEASTではサイエンスアイランドに注目。そこからつながる「探究」学習とともに、山脇学園の教育を紹介します。
SI 野外実験場とフィールドワークエリア
校内の実験場で、手足を使って「考える」
previous arrow
next arrow
Slider
サイエンスアイランドは、以前短期大学があったという4号館、5号館にあり、その前にはSI屋外実験場とフィールドワークエリアが広がっていた。中1年が植え方の実験を兼ねて育てているというサツマイモの葉が元気に伸び、水田にはSIクラブの稲が元気に揺れている。中1で制作する「プランクトン図鑑」のミジンコも、小さな生き物がたくさん住むビオトープで生徒たちが採取するらしい。 周囲に高層ビルが立ち並ぶ、赤坂にある山脇学園。その校内にある野外エリアは、ゆったりとした空気が流れる不思議な空間。山脇生は、身近なこの場所で、泥と汗にまみれながら自身の手足を使って、科学的思考の原点を育てていくのだろう。
サイエンティストの時間
充実した施設や設備を使いこなして「考える」
previous arrow
next arrow
Slider
サイエンスアイランドでの中1の「サイエンティストの時間」を見学。生物実験室では、白衣を着た生徒たちが、1人1台ずつ双眼の生物顕微鏡を手元に置いて、先生からの説明を静かに聞いていた。
previous arrow
next arrow
Slider
すでに単眼の生物顕微鏡で顕微鏡の取り扱い方を習っていて、双眼の顕微鏡に戸惑う生徒はほとんど見られない。実験というと器具を扱うだけではしゃいでしまいそうだが、中1生にも関わらずとても落ち着いて観察に向かう彼女たちには、すでに山脇のサイエンティストとしての自覚が芽生えているのかもしれない。 倍率を調整して、生徒それぞれが描く観察スケッチは、微細な特徴までていねいに書きこまれていて美しいデッサンのようだ。山脇学園では実験や研究において、観察は非常に大事だと指導され、その基本として観察の仕方やスケッチの方法も最初にしっかりと教わるという。こうした授業を積み重ねることで、疑問を見つけ、考えることの楽しさを実感する生徒は多いのだろうと思える授業だった。
科学研究チャレンジプログラム / SI クラブ
自分の研究を継続して「考え」将来につなげる
previous arrow
next arrow
Slider
放課後、サイエンスアイランド内の「生命科学系継続研究室」と「科学技術系研究室」では、中3の希望制クラス「科学研究チャレンジプログラム」の生徒たちや、高校で継続して研究する生徒たちが所属するSIクラブの活動が行われていた。 「ロボット研究グループ」「PC研究グループ」「生物研究グループ」に分かれ、それぞれの研究課題に取り組む生徒たち。大学の先生に師事したり、最終的に学会や外部コンテストで発表をしたりするための本格的な研究を行う場であり、生徒たちの専門的な会話や熱心な討論に圧倒される。ここで科学的思考を磨き、将来の道を見つけていく生徒が多いというのも納得だ。
STUDENT VOICE
サイエンティストとして研究に励む山脇生の声
和田さん(高校2年)
中学3年から継続してマングローブを
研究観察・考察・発表を通して、
自分の志が見えてきた!
「サイエンティストの時間」で楽しかったのは、中1での「プランクトン図鑑作り」です。1人1台の顕微鏡の使い方を先生に教えてもらって自分で操作できるようになり、スケッチも線を二重にしないとか、塗りつぶさないとか、描き方を1から学びました。観察のスケッチは中1で習ったからこそできるものだなと思います。それを繰り返していくうちに上達していきます。

中3での「科学探究チャレンジプログラム」では「生物研究グループ」を選択して、西表島に生えているマングローブの胎生種子を使った研究を1年間やりました。種子に光を当てたり、当てなかったり、全部を水につけるか、半分をつけるかとか。他にもマングローブが汽水域という塩分がある場所に生えている植物なので、その条件を組み合わせて10週間ぐらい観察をしたデータを元に考察をして、学会で発表しました。

高校でもSIクラブで、マングローブの研究をずっと続けています。中3で西表島に行ったときに面白い植物だなと興味を持ち、その後自分で研究したり、マングローブ学会で話を聞いたり、学会での先輩方の研究発表を聞いたりしていくうちに、継続して研究してみたいと思いました。

将来については、やっぱり研究に関わりたいです。特にマングローブが環境問題に関係していることを知ったので、そこに関われたらなと思っています。例えば、東南アジアのボルネオのマングローブは、日本がエビの養殖池を作るために伐採されているのです。それによって環境が悪化しているので、その解決に少しでも関われたらと思っています。

山脇学園はいろいろな先生がいらっしゃって、生徒がやっていることに様々な視点でアドバイスをいただけます。発表や講演を聞く機会や、自分が研究して発表する機会も多くあって、本当に多くの体験ができます。それは理系に関することだけではありません。修学旅行も行くまでにたくさんの事前学習をして、帰ってからもみんなで意見を交換します。だからこそ、見えるものや感じられるものがありますし、それが私たちにとっての成長になっているのかなと思います。
TEACHER COMMENTARY
志を育てる山脇学園のプログラムを先生が解説
大島悠希先生[探究・校外学習主任]
知識や探究の幅を
深める豊富な機会を活かして
自身の志を見つけてほしい


志を育てるサイエンスアイランド(SI)のプログラム
STEP1
中1・中2 サイエンティストの時間
思考・判断・表現するための授業を行う3つのアイランド
通常の教科教育で育てられるものは、知識や技術の習得がメインです。そういった授業の枠を外れて「思考する」「判断する」「表現する」ことに重きを置いてやっていこうというスペースが、本校の3つのアイランドでの教育です。SI(サイエンスアイランド)という場所で行う授業は思考することを中心とした授業、LI(リベラルアーツアイランド)では判断する授業、EI(イングリッシュアイランド)では表現することに重きを置いた授業を行っています。
通常の授業とは別に 実験実習を通して思考するサイエンティストの時間
SIでは、理科や数学をメインにして思考する「サイエンティストの時間」を、中1・中2に置いています。「サイエンティストの時間」は、通常の授業とは別に、週1時間の実験実習がメインの時間です。 教科の縛りなく行っていることが特徴で、物理・化学・生物・地学+数学を扱って授業しているので、内容にはいろいろなバリエーションがあります。実験は、生徒から「どうしてなのだろう?」という純粋な疑問が出てくるものを多くしていますから、そこで生じる好奇心が、「知りたい」という気持ちに変わる瞬間があって、通常の授業では見せない生徒の顔が見られますね。中2からは、示された実験を自分で操作して結果を出すだけではなく、仮説を立てて検証する少し高度な実験も取り入れています。 生徒がたくさんの経験を積むための時間であり、学問の面白さに気づいてもらうという目的もあって、中1から設定しています。
STEP2
中3 科学研究チャレンジプログラム
1年間継続して自分の理科系テーマを追求するクラス
中3になると、理数系に興味を持った志を育てる「科学研究チャレンジプログラム」というクラスを、7クラスあるうちの1クラス設けています(2クラスが英語チャレンジプログラム、4クラスがスタンダードクラス)。これは、生物研究グループ、PC研究グループ、ロボット研究グループに分かれ、自分のテーマで1年間継続して研究を行うクラスです。 中1・中2の「サイエンティストの時間」を通して、自分は理数系に興味があるのか、研究職を目指す気持ちがあるのかと生徒は考えます。そこで挑戦しようと思えば、中3で「科学研究チャレンジプログラム」を選択して1年間の研究を行います。中3の1年間で経験した自然科学の分野の研究やそこで気づいた面白さを自身で確認して、高1の9月には進路(文理)を決定していくのです。
中3 探究基礎
中学の3つのアイランドのスキルを活かして 探究の基礎力を磨く
3つのアイランドでは思考・判断・表現に重きを置いているわけですが、高校ではそれらのスキルを活用して社会とつながっていく「探究の時間」があります。その手前の中3では、「探究基礎」という授業を週1時間行い、ここでSIとLIが統合した学びを行います。
探究活動のステップは、仮説をたてて、検証して、それを発表していくという流れだと世間では言われていますが、本校では仮説を立てる前の観察というステップを大事にしています。きちんと情報収集をしないと、問いが立てられないからです。ですから「探究基礎」ではSIでやってきた観察や仮説・検証、LIでやってきた議論や発表という要素をひとつにして、高校での探究活動に向かっていける基礎力を磨きます。
STEP3
高校 SIクラブ
研究継続はSIクラブで可能。
高度な内容に挑戦しながら、研究者としての人間性を育む
中3の「科学研究チャレンジプログラム」は1年間継続して研究しますが、実際にやってみると時間は短く、地盤固めができたときに終わってしまいます。そこで高校でも継続して研究を続けたい生徒は、SIクラブの継続研究班として続けられるようにしています。高校で継続する場合は、自分の興味だけでなく、人の役に立つ研究など社会とのつながりを意識した研究に取り組みます。外部の学会に出ることもありますので、中学よりは高度な内容になっていきますね。特に、その後も研究を続けていくうえでは、社会性がすごく大事だと考えていますから、人として間違った方向に進まないように、社会に役立つ自然科学の研究を意識できるよう指導しています。
志を育てる6年間のプログラム
高校での探究力につながる
中学での思考力・表現力の強化
新聞を読もう
画像クリックで拡大画像が表示します。
マイオピニオンコンテスト
円盤問題
他にも中学段階では、生徒が志を育てるためのプログラムを豊富に行っています。新聞を読んだ生徒が意見を書いて提出し、それをまとめて配布することで他の生徒の興味や考えを知り、社会を理解していく「新聞を読もう」。世の中で起きている事柄に対して様々な意見や価値観を知ったうえで自分の意見を発表する「マイオピニオンコンテスト」のほか、最近では急に出された正解のない問を5分で考えて自分なりの答えを発表するという「円盤問題(新しい大学入試問題)」などにも取り組みます。中学段階でのこうした様々な活動は、そんな考えがあったのか、自分もオリジナルの考えを出していいのかと、生徒たちが柔軟に発想して、抑えていたものを出すことにつながり、複雑に絡み合って、高校での「探究の時間」に結びついていきます。
校外体験を活かした高校での探究活動
学びたいものを見つけて社会につなげる
高1探究活動<富士山>
高2探究活動<長崎・沖縄>
高校の「探究の時間」では、高1から高3まで学年ごとに大きなテーマを掲げていて、そのテーマのもと自分の問いを設定して研究していきます。例えば高1では、本校の校章になっている富士山周辺を題材にして、各グループが探究活動を行います。「富士山の水と天然水と水道水の違い」、「桜エビ漁と富士山・駿河湾の地形の関係性」など、普段の授業では出てこない面白い発想の問いを生徒たちは考え、それぞれが切り拓いていきます。

本校では、校外教育の中で探究的手法を用いた活動を行っていました。その中では、東京都と伊豆の夜空の暗さの違いを研究した生徒であれば宇宙物理の分野が学べる大学へ進学したり伊豆の岩の違いを調べていた生徒であれば地学の分野が学べる大学へ進学したり。校外学習の機会を活用して、自分で立てた問いに対して、現地で直接触れて、考察や検証することは、結果的に進路研究にもつながっています。

高2になると修学旅行に相当するものとして長崎と沖縄に行き、ここでも「平和とは何か?」を大きなテーマに現地の情報を収集して、自分がどういう社会や時代を生きていくのかを考える機会にしています。校外での体験を活用して、自分がどういう課題に取り組みたいのか見定まっていけることが、「探究の時間」のひとつの意味です。こうした活動を通して、最終的には、社会を見据え、学びたいものが学べる場として大学を選んでほしいですね。なぜその大学なのかという視点で大学を選ぶためには、自分が社会でどうしたいかを高校時代に考えることが大切だと思っています。
山脇での豊かな経験で 志を見つける機会に
サイエンスアイランドは開設9年目を、「科学探究チャレンジプログラム」は7年目を迎えました。今後は高校で継続して研究をする生徒がもっと増えてほしいと考え、本校では2020年度より「探究サイエンス入試」を始めます。我々の使命とは、自分が学びたいものを学べる場所に行ける生徒を輩出していくことだと思っていますし、本校にはそういう機会がたくさんあります。豊かな経験ができることは、生徒たちが志を育むうえで非常に大切です。特に自然科学の分野での活躍を目指す生徒には、この学校での経験を通して自分で確信を得て、次のステージに進んでいってほしいなと思います。
「探究サイエンス入試」→https://www.yamawaki.ed.jp/exam/recruitment-info/

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で