【国学院大学久我山中学高等学校】
女子部CCクラス 独自授業
【Global Studies】

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国学院大学久我山中学高等学校の女子部のCultural Communication(CC)クラスは、「日本の文化や伝統を学び世界に発信できる人・他の国の文化や伝統を相互に尊重し合える人・英語を意欲的に学びフレンドシップを深められる人」になることを目標とするクラス。今年で創設から4年目を迎えました。CCクラスの特徴的な授業が、多様性や相互理解の重要性に気づき、世界と協働することを学ぶ【Global Studies】です。授業の様子や先生・生徒のコメントから、【Global Studies】の価値と意味を探りました。
Global Studies
授業目標

世界にある多様性に気づき、互いの違いを尊重し、世界の人と協働する気持ちを育てること

6年間のテーマ
ユニットテーマ内容テーマ<抜粋>
中1世界に友だちを作ろう「自分を紹介する」「障がいがある人との出会い」「世界の人の暮らしを知る」他
中2世界に向けて日本を伝えよう「自分が大切にしたい日本の文化」「日本で暮らす外国人」「飢餓問題を考える」他
中3グローバルな視点を育てよう「自分が大切にしたい日本の文化」「日本で暮らす外国人」「飢餓問題を考える」他
高1多様性を尊重し日本を発信しよう「多様化する大学」「日本の中のDiversity」「難民問題を考える」他
高2世界の人と協働しよう「世界はグローバル・リーダーをどう見る?」
「世界の人ともに問題解決にあたる」他
  • 週1回2時間の授業を1セクションとして、4~5セクションで1ユニットの授業を実施
  • ユニットテーマに対してPLAN(計画)→RESARCH(調査)→ACT(実行)で探求
  • 各段階で Brain Storming(アイデアを出し合う) Interaction(やりとり) Critical Thinking(論理的に考える) を行い、課題に向かう
TeacherInterview
先生写真
画像

中学女子部CCクラス
中学1年クラス担任 入試広報部主任 小俣裕子先生

教科授業とは異なる体験

― 4年目を迎えたCCクラスの【Global Studies】。その学びの内容とポイントを教えてください。

小俣先生:CCクラスの【Global Studies】の授業が始まるにあたり、中学1年生には3つのキーワード「Friendship」「Diversity」「Japanese Culture」を教えました。このキーワードがCCクラスの大切にしていることで、グローバル社会の中で活躍していくために必要であり、どのプログラムでも常に意識することが大切だと伝えています。CCクラスで6年間学び、この3つのキーワードを言葉として理解するだけでなく、実感して実践できる人になってくれればと思います。
生徒には、【Global Studies】の授業の終わりに毎回「振り返りシート」を書かせますが、「今日のこのプログラムは、3つのキーワードの中のこれに関係があったと思う」と、何人かは必ず書いてくれます。中学1年の最初のユニット『自分を紹介する』では生徒同士がお互いの多様性に気づいてくれました。また、海外の方と交流する「Friendship Meeting」では、文化的な多様性に気づいたようです。今進めているユニット2『障がいがある人との出会い』では、「どうして【Global Studies】で「障がい」を扱うのか、その意味は自分たちで考えてごらん」と、あらかじめ言ってあります。1学期が終わった時に彼らがどう考えるのかが楽しみですね。

― まさにCCクラス独自の授業ですね。その一番の魅力は何だとお考えですか。

小俣先生:やはり学校の教科の授業とは異なる体験ができることが大きいと思います。【Global Studies】の初代担当の川本は、「なるべく本物に触れさせたい」と言っていました。机上の勉強でしか身につかないものもありますが、自分からリサーチをしたり、現場に携わる人から話を聞いたり、今日の手話のように自分の体でやってみたりすることでしか得られないものがある。そこに【Global Studies】の大きな魅力があると思います。
また、私は個人的に【Global Studies】は彼らが卒業した時に「人生のお土産」になると感じています。中高で何を学んだかと問われると、なかなか答えられない人も多いと思いますが、この授業では自分たちが学んだことを記録し、ファイリングしています。そのファイルは中高で学んだ証になり、自信や次のステップへのきっかけにもなると思います。

自分の個性や考えを表現する力を伸ばす

― CCクラスでは、中1から【Global Studies】を6年間学ぶわけですが、具体的にどのようなことを学んでいるのですか。

小俣先生:例えば中1の最初のユニット『自分を紹介する』では、日本語で自己紹介、英語で自己紹介・家族紹介・友だち紹介、Friendship Meetingでは外国の方に向けて英語で自己紹介と家族紹介をしました。
ユニット2は『障がいがある人との出会い』です。私は国語の教員なので今まで読んできた本の中から「こういった障がいがある人物と出会った」と伝え、生徒にも自分が今まで自分が経験してきた「出会い」を共有してもらいました。その後、グループワークや宿題で、意外と身近なところに障がいがある人がいることやユニバーサルデザインがあることに気づいていきました。今は、図書館のブックリストから障がいに関わる本を読んでいます。今後はその本についてビブリオバトルを開く予定です。

― 教科授業とは違うわけですが、生徒の皆さんの反応は?

小俣先生:ユニット1『自分を紹介する』はする方も聞く方も緊張でいっぱいでした。ただ、【Global Studies】をやっているとパフォーマンス力が身につき、引っ込み思案の生徒も「自分という人間を出していいんだ」ということが徐々にわかってくるようです。
ビブリオバトル前の中間発表として本の紹介をすると、まだ数人ですが原稿を読みながら話さずに、身振り手振りを交えて聞く人に向けて語りかける生徒が出てきました。振り返りシートにも「ああいう風にやりたい」といった憧れの声が多かったです。また、本の紹介を演劇調に仕立てた生徒もいました。そうやって自分の個性や自分の考えを表現することが上手になってきていると感じます。発表を聞く時も軽くうなずきながら聞くなどして、発表する人が話しやすい雰囲気を作るのが上手になってきたと思います。これは、黒板と教科書だけの授業では身に付かない力はではないかと思います。今、私も生徒たちの成長を楽しんでいるところです。

― 今日の授業では、手話の練習をするだけでなく手話の種類や、手話を使う人たちにどういう人たちがいるか、どうすれば伝わるかまで丁寧に教えられていることが印象的でした。

小俣先生:体験は貴重ですが、「やりっぱなし」は避けるべきだと思っています。前提となる知識を身につけて自分の経験にどのような意味があるのかも、併せて考えていきたいです。

多様性に対する心の壁を外し協働できるように

― 今の高1生は【Global Studies】を3年間やってきた学年です。生徒たちにはどんな成長が感じられますか。

小俣先生:自分の考えを表明する、発表することに対して抵抗がなくスムーズになっています。今の高1のクラスには様々な生徒がいますが、他者を受け入れようという心の広さがあって、正に多様性の世界です。違いがあるから一緒におもしろいものが作れるのだということを3年間で感じてきてくれたのだと思います。多様性に対する心の壁のようなものが外れていくのかもしれません。

― 今後【Global Studies】に関して挑戦されたいことはありますか。

小俣先生:先日CCクラスの会議を行って、目指すところを共有し、今やっていることの中間報告を行いましたが、その時に副校長の高橋が「多様性という言葉は怖い」という話をしていました。今、生徒たちは少しずつ多様性というものに触れてきていますが、性質の違いを認めるということは、「人は人、自分は自分」という隔絶に繋がる恐れもあるのではないかというのです。そうではなく、多様性の中で共働しながら建設的に何かを作れるところにまで到達できればな、と思います。

授業レポート
中学1年

Global Studies

『障がいがある人との出会い』 /
「手話・Sign Language」

手話を理解して体験することが次への一歩に
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この日、中1の【Global Studies】では、ユニット2『障がいがある人との出会い』の授業が行われました。手話通訳士で日本語教師の鈴木隆子先生から、「手話・Sign Language」というテーマで学びます。先生は手話の種類、聴覚障がい者による手話の違いなど様々な基本知識を、手話と言葉でわかりやすく解説。全容を知ったうえで、手話での挨拶体験が始まります。戸惑っていた生徒たちがようやく手話に慣れてくると、次は手話ソングに挑戦。「Jupiter」の歌詞を1行ずつ手話で表現していきました。2時間の授業の最後には、1曲を通して手話ができるようになった生徒たち。貴重な講話と体験、1曲を手話で伝えられたことは自信にもなり、自ら行動する意欲にもつながることが期待されます。

STUDENT COMMENTS

HKさん(中1)手話に驚き興味を持った

よくわかっていなかった手話が、今回の話でよくわかりました。手話は一種類だと思っていたので、表現の仕方が全然違うことに驚き、手話の種類に興味を持ちました。【Global Studies】は、他の人と意見を共有したり、外部講師の方にいろいろなことを教えていただいたりして、本当に楽しく魅力ある授業です。クラスの皆とたくさん話をして意見共有を行うので、「自分が考えていることをみんなで話そう」と思えるようになりました。

AKさん(中1)知識と経験をこれから活用していきたい

手話での「Jupiter」を練習したときは、「こんなこと私にできるわけがない」と思ったのですが、先生がわかりやすく教えてくださったので達成することができました。【Global Studies】は違う国の方と会って英語で話したり、障がいを持っている方の事を知ることができたりと、他の学校では体験できないような事をするためすごく面白く、自分の知識も増やすことができます。目の見えない視覚障がいの方が信号を渡れないときに声をかけてお手伝いをしたり、聴覚障害の方に少しだけでも手話でお話したりするなど、これから活用していきたいです。

HRさん(中1)目標をどうクリアするかを考える授業

聴覚障がいの方の中に「ろう者」「難聴者」などいろいろあることに驚きました。ある程度のことは知っていたつもりでしたが、まだ知らないことがたくさんあったので知識を高める必要があると改めて思いました。
【Global Studies】は全体を通しての目標が最初からわかっているので、それらを意識しながら授業を受ける事で、「目標をクリアするにはどうすれば良いか」という視点から物事を考えられる点が他の授業と違います。また、「この学習は自分の今後のためになる」と考えると他人事ではなく、一つ一つに興味や疑問が浮かびやすくなります。
【Global Studies】が目指すものは「Friendship」「Diversity」「Japanese Culture」です。どれも社会に出た時に必ず求められると考えられる要素だと思います。「Friendship」で初対面の人や外国の人とも友好的に接することができ、「Diversity」で多様なアイデアを出したり、様々なアングルから物事を見れ、「Japanese Culture」で多国籍の人に日本の良さや伝統的な文化を伝えられる大人になりたいです。

NMさん(中1)一人ひとりの個性を認め合える楽しい授業

今回の【Global Studies】を通して学んだことはたくさんありましたが、障がいに興味を持ち、最近は障がいについての本も読むようになりました。私は手話が一つの母語だということを初めて知りました。私たちは日本語を当たり前のように使って会話しているけれど、聴覚障がいの方達は、その当たり前が手話なんだと考えると、心打たれて興味を持ちました。手話を覚えて、聴覚障がいの方と会話ができたらどんなに楽しいだろうと思います。
【Global Studies】でいいなと思うところは、グループワークです。友達と意見を出し合いながら協力し、何か一つの目標を成し遂げると達成感が生まれるうえにクラスの絆も深まります。授業は週に1回ですが、たくさんのことが学べ、一人ひとりの個性も認め合える楽しい授業だと思います。これまでの授業を通して思ったことは、「一人ひとり違っていい」ということ。一つのテーマからいろいろなアイデアが生み出されるのは素敵だと思います。障がいのある方も同じで、「障がい」を「障がい」と捉えるのではなく、その人にしかない「個性」だと思いたいです。

KNさん(中1)外の世界に触れ、自分の視野が広がって面白い

健常者であり、日本語を使っている私たちには、日常的に手話を使っている人の気持ちはわからない。でも、私たちは手話を学んだ。少しでも障がいのある人の世界に触れた。気持ちはわからないけど、少しでもバリアフリーの世界に貢献するきっかけになったと思う。そして、多様性の世界を生きるための第一歩にもなったと思う。
【Global Studies】は教科の授業と違って知識を入れるのではなく、みんなで考えたり、外の世界に触れてみたりするので、自分の視野が広がって面白い。また、友達との仲も深まるのでとても楽しい。
授業レポート
中学2年

Global Studies

『自分が大切にしたい日本の文化』 /「リサーチ」

日本文化をリサーチして英語で伝える
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中2の【Global Studies】は、ユニット2『自分が大切にしたい日本の文化』のリサーチ時間になりました。今後行われる海外の方に向けた英語でのプレゼンテーションの準備のために、それぞれが大切にしたいと考える日本文化について調べた内容を、辞書を片手に英文に訳していきます。途中、先生に相談したり、映像を見たり、iPadを用いて調べたりしながら、自身がリサーチした日本文化の面白さや内容を、どうにか伝えたいと苦心している様子が伝わってきました。単に調べるだけでなく、その知識や意見を英語で誰かに伝えることも【Global Studies】の重要な学びです。

STUDENT COMMENTS

KRさん(中2)発信力・解決力が身につく

自分も日本に住んでいるけれど、深く調べてみると全く知らないこともたくさん出てきて楽しかった。また、将来自分が外国の方に日本の素晴らしい文化を伝えたいと感じた。【Global Studies】は他の学校ではできない経験がたくさんでき、楽しみながらクラスの子とも仲を深められ、自分から発信する力がつく。また、生徒が主体的に動くので自分で解決する力もつく。将来は、自国の良いところを伝えたい。また、日本だけでなく世界のことも学習しているので、未来の世界を少しでもより良いものにできるように、いろいろな知識を身につけたい。

YRさん(中2)相手に伝える大切さと楽しさを知った

私は日本のお金について調べました。調べれば調べるほど、日本のお金について知ることができました。クラスのみんなの前で発表して、「わかりやすかった」と感想を言ってもらえたのはとても嬉しかったです。授業を通して、相手に伝えることの大切さと楽しさを知れたので、その気持ちをこれからも持ち続け生かしていきたいです。
【Global Studies】は発表や調べるときに、自分たちで考えて行動するので積極的に授業を受けられる点が良さだと思います。

ARさん(中2)日本文化を改めて学べる機会

改めて日本文化を学んでみると、日本に住んでいるのに知らないことがたくさんあった。学ぶ機会を得ることができて良かった。日本文化を通して、日本人の心の持ち方や在り方を見ることができることを発見し、面白いと思った。(例えば華道では、空間を大切にすること、日本人の立体的な考え方など)
【Global Studies】の魅力は、近くにある当たり前を新しい目線で見ることができる点。自分の世界が広がっていく気がして楽しい。いろいろな視点でモノを見るようになれると思うので、新しい事・モノに出会ったときの「ものさし」のように使っていければいいなと思う。

UYさん(中2)相手のことを理解できるようになりたい

日本には特有の文化があって、自然と共に暮らしていくという心を感じた。また、1000年以上経ってもそれが私たちの世代に残っているように、私たちの生活に適応しながら発展し続けていることを学べた。
【Global Studies】の良さは、世界のいろいろな人やその人たちの生活を学んで、それを友達や家族に共有できること。将来、自分がどのような分野の仕事に就いても、相手のことがよく理解できるようになりたいし、まだ周りに知られていないことを発信したいと思う。

MMさん(中2)身近なお茶の歴史と工夫に感動

お茶や浮世絵、琴などの様々な日本文化の話を聞き、実際に触れてみて、日本文化はとても素敵なもので、これからも残していきたいと思いました。中でも私は、お茶の授業に一番興味を持ちました。私たちが普段から飲んでいる、身近なものであるお茶は、長い歴史と工夫があって出来上がったものなんだと、深く考えさせられたからです。
【Global Studies】は、普段の授業では習わないようなことをよく知れる機会であり、今、地球はいろいろな問題を抱えていて、これからどのような対策をとるべきかなど、世界について考える点に魅力を感じています。私たちがこの地球を守っていくために、何ができるのかを考え、実践していくことが大切です。また、日本特有の文化を風化させないために自分自身がもっと学び、外国の方にも日本の方にも発信していけるようになりたいです。
TOPIC「日本茶」を知り、伝える
「日本茶」を知り、伝える 写真1
「日本茶」を知り、伝える 写真2
「日本茶」を知り、伝える 写真3
「日本茶」を知り、伝える 写真4

中学2年生は、ユニット2『自分が大切にしたい日本の文化』の中で「日本茶」についてハラダ製茶株式会社の方から学びました。お茶の歴史、現在のお茶の生産状況、お茶の種類や違いなどを知った後、栄養素や香り、旨味が格別な一番茶を試飲。その美味しさに生徒たちは驚いたようです。急須を使った美味しいお茶の煎れ方も、生徒たちには新鮮でした。終盤ではシンガポール駐在の営業の方と中継でつなぎ、現地での日本茶の取り上げられ方を紹介。海外で働く方と話す機会が持てたことにも生徒は刺激を受けた様子でした。身近な日本茶について改めて知り、体験することで気づく日本文化。中学3年生の「女子特別講座」でじっくり学ぶ「茶道」ではなく、身近で今すぐにでも実践できる「日本茶」を取り上げたところに、国学院大久我山の【Global Studies】の教育方針が溢れています。

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